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映画「MY HOUSE」 [映画]

オープニングのいとうたかおと石田えりが丹念に見せるゼロ円の家造りシーンに感心した。
地面に置いたビール瓶ケースに板を渡して床にした。
雨水の浸水から逃れる知恵です。
なるほど、こうやって家を作るのか。
ラブホテルの経営者・板尾創治が、いとうたかおと取り交わした約束が印象に残った。
私のような中年サラリーマンには他人事ではない、とても苦いものだった。
いとうたかおの隣人役で出演し、脚本にも参加している劇作家・佃典彦の舞台を一度だけ見たことがある。
家庭や学校や地域が壊れてしまった世界を描いていた芝居だったように記憶しています。
本作に登場する潔癖症の主婦・木村多江とその家族、さらに中学生グループのシーンは彼のアイデアではなかろうか。
映画の初めに名古屋駅や栄のオアシス21や科学館が出てくる。
見慣れた風景が撮り方しだいで、こんなにも違って見えるものなのかと感心した。
無機質な未来都市みたいで、どことなくSFっぽい。
映画自体が現代というよりどこか近未来的なイメージがつきまとっていた。

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映画「舞妓と暗殺者」 [映画]

三隅研次監督の隠れた傑作といわれている1本です。
幕末の京都を舞台に、倒幕派の若き暗殺者九鬼・津川雅彦と祇園の舞妓ひな菊・高田美和の悲恋の話です。
ある夜、初めて暗殺隊に加わった九鬼は手傷を負い、置屋へ逃げ込んだ。
居合わせた舞妓ひな菊の機転で追っ手から逃れることができた。
その日をきっかけに、ふたりは幼い恋を育んでいった。
しかし、暗殺隊のリーダー前川・山本耕一もまた、ひな菊に目をつけていた。
前川は出世と私欲のために活動資金のピンハネや仲間を裏切るような卑劣漢だった。
彼は金にものを言わせてひな菊の身体を奪おうとするのだが・・・倒幕派は内紛が絶えず、一枚岩にならない。
暗殺隊の下級隊員たちは活動方針を巡って生硬な議論を闘わせていた。
しかし組織の上層部はお茶屋遊びにいそしんでる。
60年安保の余燼が残っていた頃の映画だった。
当時16歳の高田美和の可憐なことよ。
彼女が高校在学中に出演した映画だという。
いつものことながら、大映の時代劇の作り込んだセットや照明がすばらしい。
高田美和を格子越しに移動カメラで捉えたシーンの美しさに、うわっと声が出る。
小川に架かった橋の上で若いふたりが語り合う場面をクレーンを使ってワンショットで撮っている。
80分足らずの作品なのに、今から見ると手抜きなしだった。



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映画「億万長者」 [映画]

1950年代の市川崑監督作品です。
小心者の若い税務署員が主人公です。
彼の目を通して、当時の狂ったような世相が描かれていく。
政治家や役人の賄賂や汚職は当たり前、第五福竜丸の悲劇が起こり、日本中に核の恐怖が再燃していた。
主演の弱々しい税務署員を木村功が演じていた。
栄養失調で低血圧気味の役どころがぴったりだ。
助演陣がやたらと豪華、というより個性的な俳優がずらりと並んだ。
売れないニューフェース・岡田英次、小菅帰りの政治家・伊藤雄之助、お喋り芸者の山田五十鈴、その他、加藤嘉、左幸子、北林谷栄、信欽三、西村晃などなど。
棺桶屋の織田政雄がおかしかった。
そして久我美子です。
原爆で家族を失った彼女は街頭に立ち必死の形相で、原爆廃止を・・・じゃなくて、日本も原爆を作って米英を見返してやろうと訴えていた。
間借りしている二階部屋で原爆作りにいそしむ馬鹿娘だ。
本作やこの前見た『あの手この手』のやんちゃ娘のようなコメディエンヌぶりが見ていて楽しい。
代表作『また逢う日まで』の清純なイメージが強すぎるのだが、女優としては幅の広い人だったのかもしれない。
脚本に安部公房や政治漫画家の横山泰三が参加していたのには、びっくりだった。


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